【完】TEARS−ティアーズ−
今でもあたしは、郁君が好き。
気まずくなっちゃっても。
無視されても。
この気持ちは消えてはくれないんだもん。
告白した事は後悔してるんだ。
あんな勢いで自分の気持ちを言っちゃって。
告白する前に、戻れるなら戻りたいんだ。
もし、この願いが叶ったら、あたしは郁君に絶対に想いなんて告げない。
ただ臆病で、逃げてるだけかもしれないけど。
それでも気まずくなったり、無視される事よりはマシだと思うんだもん。
そんな夢みたいな事を考えてしまうくらいに、今のあたしは郁君に恋をしたまま、前にも後ろにも進めない。
この気持ちの終わり方なんて、まだわからない。
でも、それでもいいと思うようにした。
ずっと叶わない片想いでもいいんだ。
だからこそ、
こうしてあたしを好きだって言ってくれる高峰さんの事を中途半端にしたくない。