【完】TEARS−ティアーズ−


「でもね。もう助けてくれなくていいよ」



本当は嬉しい。


けど、あたしの想いは届かないから。


その優しさは痛いんだ。



「そんな風に優しくされると、あたし期待しちゃうし」



こんなこと言って、まだ未練あるのかって思われたかな。


でも、これがあたしの正直な気持ちで。



「あ、郁君の気持ちはわかってるから」



彼女さんに悪い。


あたしなんかに優しくしてるって、もし彼女さんが知ったら嫌な思いするだろうし。

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