【完】TEARS−ティアーズ−


「だったら、帰んぞ」

「え?」

「だから帰るぞ、って言ってんの」

「あ、うん。だから……バイバイ?」

「はぁ!?」

「へ?」



さっきから何言ってんの、コイツ。


噛み合わない会話にイライラしつつも、

俺は篠原のそばへと寄って、



「お前、帰らないわけ?」



そう聞いた。



「帰るよ?」



すっ呆けた顔で、当たり前のように呟く篠原。



「だったら行くぞ」

「え? 一緒に!?」



はぁー。
溜息が出る。


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