【完】TEARS−ティアーズ−
「連絡って、メー…」
「乃亜!?」
大きな声で聞き返した。
でも、いきなり大声で自分の名前を叫んだあたしを見て、
「は?」
と目を丸くする郁君。
「今、乃亜って呼んだ?」
「な、なんだよっ。そこイチイチ突っ込まなくていいから」
「あ、そっか。そうだよね」
そうか。
それとなく呼んでくれたのに、イチイチ突っ込んじゃったらダメなんだね。
悪い事しちゃったかな。
チラッと郁君を見上げると、耳まで赤くなってて。
それが伝染したかのように、あたしも熱くなってきた。