【完】TEARS−ティアーズ−
「なんで、お前が赤くなってんだよ」
「だ、だよね。ごめんなさい」
「別に謝らなくていいんだけどっ」
朝から2人して真っ赤になって。
あたし達は何してんだろう。
そう思うと何だかおかしくなってきちゃった。
クスクス笑うあたしに、郁君は少し不機嫌な声で。
「何、笑ってんの? 変な奴」
「えへへ。あ、さっき言いかけてたのって何だったっけ?」
「聞いてたのかよ」
あ、うん。
連絡がどうとかって言葉は聞こえてたんだけど“乃亜”って呼んでくれたのを、どうしても先に確かめたくて。