【完】TEARS−ティアーズ−


押すか押さないかを悩みながら、
触っていたボタンは送信ボタン。


気付かないうちに、その指に力が入ったみたいで。

あたしは決定ボタンを押してしまったらしい。


よっぽどの事がない限り、郁君にメールは届いてしまったはず。



あれから、正座したまま30分が過ぎようとしていた。



うんともすんとも、いわない携帯を握り締めたまま。


2分に1度はメールチェックを繰り返して。

お風呂に入っても、体を洗っては脱衣所の携帯をチェック。

頭を洗い終わった時なんて、センター問い合わせ。



そんな事を繰り返していたせいか、

お風呂から上がった時には充電が3つから1つへとなっていた。

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