【完】TEARS−ティアーズ−
「変わったとしたら……郁君のせいだよ」
「え?」
「郁君が全然、私の事みてくれないから」
え?
何言ってんの?
意味がわからない俺が首を傾げると、
「もう一度、やり直さない?」
そう宮坂が言ったんだ。
「あんな風に自然消滅しちゃった事、本当は後悔してたの。
だけど私こんな性格だし、言い出しにくくて。
そしたら郁君と篠原さんの噂を聞いて……」
「なぁ、それって乃亜に言った?」
「え?」
「今の話って、乃亜にした?」
「あ、うん」
なるほどな。
それでか。
俺てっきり乃亜が大学に進学しろって、言いたかったんだって思ってた。
だからサッカーをちゃんとやれって。
そう言ってるんだとばかり思ってた。
だけど最後に言った
『もういいよ、宮坂さんとまた付き合ったらいいんだよっ』
が気になって。
宮坂に聞いてみたんだ。