【完】TEARS−ティアーズ−
「えええ!?」
そんな声を出しながら、必死に走るあたし。
篠原乃亜。
もうすぐ無事、卒業出来る予定の高校3年生。
「あー、もう!
携帯どこだぁ?」
走りながら鞄の中に手を突っ込んで、携帯を探す。
あ、あった!
すぐに取り出すと、素早くボタンを押して携帯を耳へとあてる。
数回鳴った呼び出し音の後、
《もしもし、乃亜?》
耳元に届くのはキュンッてする声。
ああ、そんなこと思ってる場合じゃなかった。