【完】TEARS−ティアーズ−
「って、わぁっ!」
《ちょ、乃亜!?》
「っぶなーい」
《おい、乃亜?》
耳元には心配そうな声が聞こえて。
「あ、大丈夫」
そう笑って言ったら
《だから言ってんのに》
はぁーって呆れた溜息。
「うう……ごめんなさい。
だけど早く郁君に会いたいし……」
って、自分で言ってしまったことに。
後悔。
だって絶対また郁君に怒られる。
あたしは何でも想った事を口に出しすぎるって。
そんなつもりは全然ないんだけど。
郁君からしたら、あたしの発言に驚く事がいっぱいあるんだって。