【完】TEARS−ティアーズ−
「み、南さん?」
「高峰さんさぁ、それってちゃんと考えて言ってる?」
「考えて? 言ってますよ?」
「あー、やっぱりわかってないや」
「へ?」
南さんの言ってる意味がイマイチよくわからず、僕が首を傾げていると。
『あーぁ、どうして私は成長しないのかな。結局、乃亜の事を好きになる人を選ぶとか』
ってブツブツ文句を言っていて。
「南さん?」
「はいはい、薬も飲んだし、高峰さんは横になって」
食べ終わったトレイをとられ、また布団を乱暴にかけられた。
少し考えた後、ベッドの隣に座り込んだ南さんは、
「まぁ、いいや。長期戦でいくし」
そう呟いて、僕の頬に軽くキスをした。
「な、ななな、何してるんですか!」
もちろん、僕は驚くわけで。
だって、キスだなんて。
いくら頬だとはいえ、キスだなんて!