【完】TEARS−ティアーズ−


あの女が、篠原 乃亜って名前で7組だって事。

部活の休憩中に、ぶつかって謝られた事があるって事。

たった、それだけで気になってた事。

そして、さっき食券をあげたのが運命だって事。


頬を赤くしながら語る正宗に、俺は。



「……あほらし」



率直な感想。

たっぷり溜めて言った一言に、すげぇ不細工な顔で反応する正宗。


だってさ。


俺にはサッパリわかんねぇ。

気になるとか、好きだとか。
そんな感情は、どういった時に出てくるもんなわけ?


ましてや運命だなんて……ドラマかよ! って突っ込みたくなる。


それに女なんて面倒なだけだろ。


くだらねぇ理由で怒るし。

自分の言い分が通らなきゃ泣くし。


女と付き合う為に時間を使うなら、俺はサッカーしときたい。
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