【完】TEARS−ティアーズ−
「あ、あたし! 皆のジュース買ってくるっ!」
立ち上がった篠原を見上げ、
「あー、俺も買いに行くわ」
そう言っただけなのに。
「えええ!?」
なんて素っ頓狂な声を上げた。
「なに? 俺と一緒が嫌なわけ?」
そうストレートに聞くと、
「え? あ、いや、そうじゃなくて…」
チラチラと俺を見上げ、言いにくそうに呟いた。
「……面倒臭いから行かないって言いそうなイメージだったから」
「……行くって言って意外ってこと?」
俯いたまま、首を立てに振った篠原。
俺のイメージって、そんなに悪いのかよ。