【完】TEARS−ティアーズ−


「あ、あたし! 皆のジュース買ってくるっ!」



立ち上がった篠原を見上げ、



「あー、俺も買いに行くわ」



そう言っただけなのに。



「えええ!?」



なんて素っ頓狂な声を上げた。



「なに? 俺と一緒が嫌なわけ?」



そうストレートに聞くと、



「え? あ、いや、そうじゃなくて…」



チラチラと俺を見上げ、言いにくそうに呟いた。



「……面倒臭いから行かないって言いそうなイメージだったから」

「……行くって言って意外ってこと?」



俯いたまま、首を立てに振った篠原。


俺のイメージって、そんなに悪いのかよ。
< 56 / 371 >

この作品をシェア

pagetop