【完】ＴＥＡＲＳ−ﾃｨｱｰｽﾞ−

「えええええー！！！
郁、マネと別れたのー？？？」



叫んだのは正宗。



「え？　なんで？　なんでマネと別れたのー」



うるせーな、こいつは。



「正宗、ちょっと黙ってろ」



そう言って睨むと、シュンって耳を垂らした子犬のように正宗は小さくなる。



「それ宮坂から聞いたのか？」

「いや、俺も違う奴から聞いたんだけど。
そいつは、マネが言ってたって」

「あー、なら多分そうなんじゃね？」

「おいおい、多分って。
ちゃんと話してねーの？」

「ああ。『同じ大学行かないなら別れる！』って言ってたし、もういっかなって思って」



あの後、宮坂からは無視されたまんまだし。

もう別れたって事で話は済んでるみたいだな。