《短編》砂山のトンネル
俺は5人兄弟の2番目で下3人は妹だ。


高校を卒業する年に思い切って言ってみたんだ…

“美容の専門学校行きたい”


結果は今の俺が物語っている…


俺が高校卒業と同時に下の妹が高校へ、その下が中学へ入学だった。

とても裕福とは言えない家の家計にかなりの負担がかかった年だろう…

専門学校だとどうしても学費が高くつくからダメだって言われた。


だから俺はあきらめた。



知ってたんだ。

母さんが父さんに頼んでくれてたこと。ほんとは父さんも俺を学校に行かせてあげたいと思ってくれてたこと…


なのに俺はいつでも自分のこの状態は二人のせいだって思ってた。




どうしようもないこの気持ちを抱えきれなくなるんだ。


ほんとにやりたかったんなら、自分で何とかするぐらいじゃなきゃダメだったんだ‥‥


わかってるのに、わかってるのに。





誰かのせいにしていつも逃げ出そうとしてるんだ。
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