アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美、俺に守らせてくれないか?ほっとけねぇんだ」
泣きすぎでカラカラになった声を、一生懸命しぼりだす。
「でも」
「頼む」
傲慢で偉そうな伸也さんが、私ごときに頭を下げた。
好きな人に泣きそうな声で
「頼む」
と言われ、頭を下げられれば
「うん」
と言うしかないだろう。
それでも嫌だと言えるほど、私の意志は固いわけではなかったから。
今日から私は伸也さんの女。
眠らない街を仕切る谷沢 伸也の女の一人となった。