アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「これからは、どんなことでも俺に話せ」
「どんなことでもって?」
「簡単に言えば、一日何をしてたか報告しろ。それと、その日何を感じたかも話せ」
「えーめんどくさい」
「てめぇ、下手に出てればいい気になるなよ」
「ごめんなさい。話します」
「よしっ、いい子だ」
そう言って、私の頭に手をポンと乗せた。
大丈夫だ……
触られたのに大丈夫だった。
キッチンに入っていった伸也さんの後を追いかけて
「伸也さん!伸也さん!大丈夫だった」
と顔を覗き込んだ。
「危ねぇな。ちょっと待て」
「伸也さん大丈夫だったの!」
「だから待てって!」
伸也さんの手にはコップと牛乳が。
「伸也さんも牛乳飲むんだ」
「お前のだよ」
「えっ?」
「泣いた後はいつも牛乳飲みたがるだろ?」
「あっ、うん!飲みたい」