アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
私を少しでも気にかけてくれる言葉が嬉しくて嬉しくて、もっともっと伸也さんに近づきたかった。
「伸也さん?」
私はグラスを持っている伸也さんの手に触れた。
「お前……」
「なんかね、大丈夫みたい。さっき伸也さんに頭触られてもビクってならなかった」
「そうか」
「うん」
伸也さんは私の手を握ってくれたり、背中を摩ってくれたりしたことはあるけど、私の体はそのたびに反応していた。
だから、必要以上に伸也さんは私に触れようとしない。
私も、もちろん男の人には触れたりしない。
カズは大丈夫だから、男の人に触られると反応するっぽい。