アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
白いセダンに乗って“shot”へ向かう。
伸也さんは、いつも白のセダンに乗っている。
伸也さんの車なのかもしれない。
「今日も人が多いからどっかに捕まっとけよ」
「裏口とかないの?」
「あるけど、不味い」
「何が?」
「お前を連れて行けるような場所じゃないってことだ。」
他の女がいるってことかな?
まぁ、いいや。
でも、できれば人ごみは避けたかった。
別の女と鉢合わせしたとしても、裏口から行きたかった。
鉢合わせすると伸也さんが不味いのか。
「着いたぞ」
「あっ、うん」
まだ、お店の前だというのにガヤガヤと騒ぐ沢山の声が聞こえる。
「捕まれ」
「うん」
ドアを開けると、耳をツーンとするように大きな音楽に、目がチカチカするネオン。
このネオンは結構お気に入り。