アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

2時間くらい、何をするわけでもなくソファーに座っていた。



「待たせたな」




出て行った時とは、まるで違う伸也さんが戻ってきた。



綺麗に着こなしていたスーツはヨレヨレで、セットされていた髪の毛はグチャグチャになっている。




そして、手や顔には血の跡が……




「伸也さん、怪我してるの?」



「俺のじゃない」



「喧嘩?」



「喧嘩を止めるのが俺の仕事」



「ん?」



「shotで喧嘩や揉め事が起こらないようにするのが俺の仕事だ」



「そうなんだ」



「交代でやってるから、同僚は何人かいる」



「ふぅーん」



だから、こうやって部屋をもらっているんだ。



話の途中でドアが物凄い音で叩かれた。




「シンっ、明日変わってくれ!」



伸也さんはダルそうにドアを開き、外にいた人を招きいれた。


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