アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

「それより明日、頼むって!」



「わかったよ」



「マジでか!!恩に着る」



「用が済んだなら出てけ。じゃあな」



「追い出そうとしなくたっていいじゃんか。亜美ちゃん、俺の部屋2つ隣だから遊びに来てね」



「猛が入ったとこ?」



「ん?猛と知り合い?」



「コイツは猛と同中だ」



「えっ?!ってことは中学生?シンっ!犯罪じゃねーか!!俺にも誰か紹介しろ!」



「うるせぇな。さっさと帰らないなら、さっきの話はナシにするぞ」



「それは困る」


猛は伸也さんのことを怖い人だから、態度やしゃべり方を改めろなんて言っていたけど、この人はそんなことお構い無し。



寧ろ、伸也さんをからかっているようにも見える。



「佐々木さんは何歳ですか?」



「シンと同じ。遼ちんって呼んで」



「わかりました」



「それじゃあ、今度は俺と遊ぼうね」




遼ちん?が部屋を出て行くと静けさが戻る。




「マジでうるせぇ」



「楽しい人」



「もしも、お前に何かあって、俺に連絡が取れないときはアイツに連絡しろ」



「わかった」



「今日は疲れたからここで寝るぞ」



「ソファで?」



「奥だ」



伸也さんが指差したほうを見ると、影になって見えなかったけどドアがついていた。



「今日ドリンク飲んだか?」



「まだ」



「じゃあ、今日は飲むな。ちょっと待ってろ」



「うん」



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