アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
伸也さんは、私が眠れない食べれないのを、何とかしようとしてくれている。
その気持ちが嬉しくて、怖かったけど、目を閉じた。
不思議と目を閉じても男達は現れない。
「伸也さん」
「怖いか?」
「違う。大丈夫かも」
「そうか。寝ろ」
「うん」
もうずっとずっと眠たくて、眠れるものなら眠たかったから、私はすぐに眠りに落ちた。
すると追いかけてくる、男の手。
ハァハァという息とともに私の体が上下に動く。
「……やっ」
「亜美。大丈夫だ」
「伸也さん……」
「起きるか?」
アイマスクをはずすと、窓からは光が差し込んでいた。
「私、眠れた?」
「あぁ」
「何時間?」
「5時間は寝たな」
喜びのあまりに涙が溢れる。
「これからは毎日寝れる。安心しろ」
そう言って抱きしめてくれた伸也さんの胸の中は温かくて、昔ママに抱きしめられたときのことを思い出した。