アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美、お帰り」
部屋の中から、カズが顔を出した。
「カズ、ごめんね」
私はカズの顔を見ることができずに頭を下げた。
カズは私を抱き締めて
「カズこそ、亜美の気持ち考えてなかった」
といつもの笑顔を見せてくれた。
「カズは悪くないよ。こたぁが、あんなふうになってカズを苦しめたのは私だし。でも、私は責任のとり方がわからなくて」
「それなら、私の側でこたぁが目を開けるまで、私を支えて。それが亜美の責任」
そんなことでいいの?
そんなことで、責任をとったことにはならないと思う。