アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「お前ら、廊下で喋ってないで中に入れよ」
部屋の中から聞こえてきたのは猛の声だった。
「猛?」
「昨日、退院したんだよ」
「そっか」
私はカズの後に続いて部屋の中へと入った。
「亜美ちゃん、お帰り」
久しぶりにみる猛は一回り痩せていた。
頬も少しコケている。
「猛もお帰り」
「亜美ちゃん、俺……本当にごめん」
そう言うと猛はいきなり、私の足下で土下座をした。
「えっ?何?」
「コイツ、時間がたって全部思い出したんだよ」
伸也さんが、私の疑問に答えてくれる。