アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「そうだよぉ!猛、最低だよ!カズという可愛い子には一度も手出したことないのに!」
「クスッ」
「カズは黙ってろよ。亜美もカズの話は聞くな。俺は本当に悪いと思ってるんだ」
「猛。私のせいでそうなったんだから、猛が謝ることじゃない」
「いやっ、それは」
「私はもう忘れたよ。だから、猛も忘れて」
「もう二度とあんな真似しねぇから!」
「当たり前だ」
猛の言葉に、伸也さんが返事をして、猛の肩を掴んだ。
「伸也さん、痛いっす」
「これぐらいで許してやるんだから、ありがたいと思え」
「俺、殴られましたけど」
「あれは薬のことだ。亜美のことでは殴ってねぇ」
「勘弁してください」
猛は肩をつかまれたまま、伸也さんに頭を下げた。
その光景を見て、カズはクスクス笑ってる。
今までと変わらない関係。
何もなかったように、私を受け入れてくれる3人。
照れくさくて「ありがとう」って言えないけれど、本当に嬉しかったよ。