アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美、起きろ。亜美」
「んっ……」
目を擦り、体を起こすと、伸也さんが私の顔の前に腰掛けてタバコを吸っている。
「朝っぱらから、変な声だしてんじゃねぇよ」
「ん?おはよう。伸也さん」
「よく寝れたみたいだな」
「そうみたい」
「いつもより顔色もいい」
「顔洗ってくる」
と伸也さんに告げて、洗面所へ向かうと、タバコを咥えた伸也さんが着いてきた。
「今日、出かけるぞ」
「どこに?」
「どこでもいい。お前の好きな所に連れて行ってやる」
「じゃあ、ご飯食べてみたい」
「そうだな。飯の時間だしな」
この時、私は朝ごはんの時間だと思っていけど、時計を見ると、もうお昼だった。
こんなに眠ったのは、いつ以来だろう。
眠れたことに嬉しくなる。