アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
窓の外をボーっと眺めながら、5分くらいが経過すると、スープを持った伸也さんが戻ってきた。
「飲め」
そう言って、私の前にスープを置く。
「伸也さんは?」
「俺は、今作ってもらってる」
「ここは知り合いの店?」
「まぁ、そんなとこだ。今日はスープに米入れてリゾットみたくしてある」
「ありがとう。いただきます」
一口スープを飲んだ。
体中に染み渡るスープ。
「おいしい」
「そうか」
「シンちゃーん、できたわよ」
カウンターの奥から、甲高い女の人の声が聞こえた。
「取りに行く」
伸也さんは大きな声で、そう言うと席を立った。