アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
カウンターの中に消えた伸也さんは、女の人と何か話してる。
その声は段々と近づいてきて、言い合いをしてることに気づく。
「いいじゃないの!初めまして、伸也の前の母親です」
「えっ?」
「亜美ちゃんだっけ?沢山食べてね」
「は、はい」
伸也さんの前の母親だと言う女の人は、伸也さんより少し年上くらいに見えて、母親になんて到底見えない。
「亜美、構わなくていい」
「あら、やだ。この子、照れてるのかしら」
「伸也さん?」
「コイツは親父の3人目の再婚相手だ。すぐに離婚したけどな」
「私は愛人肌なのよ。結婚は向いていなかっただけ。今でも仲良くしてるわよ」
「そうかよ」
女の人は「ごゆっくり」とカウンターの中へ戻って行った。
「また、ハンバーグ?」
「好きなんだよ」
やっぱり、何度見ても可笑しな光景。
伸也さんとハンバーグだなんて、ミスマッチすぎる。