アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美ちゃんかい?」
「うん」
「泣いてるのかい?」
「泣いてないよ」
「何かあったのかい?」
「たまさんの声聞きたかったの」
「まあ。嬉しいこと言ってくれるわね」
「そう?」
「いいから話してごらんなさい」
私はゆっくりと伸也さんのことを話した。
するとたまさんは
「いい彼ね」
とクスクス笑った。
「どうして?」
「彼は私のことを心配してくれたのね。それに男の考えを言っていたんじゃないのかしら?」
「男の考え?」
「亜美ちゃんは、まだ若いからわからないかもしれないけど、男と女っていうだけで考え方に違いが生まれてしまうことがあるのよ。彼の話を最後まで聞いてみたら?」
「うん」
「また、泣きたくなったら電話してきて頂戴。私は亜美ちゃんの見方だし、お話が出来ると嬉しいわ」
「うん。ありがとう」