アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
抵抗
伸也さんと仲直りをして、ご飯を食べに行く用意をしていると、私の携帯が鳴った。
たまさんが心配してかけてくれたんだと思い、通話ボタンを押す。
「もしもし」
「亜美?ママよ」
その声を聞いた途端、背中に冷たい汗が流れる。
「うん」
「元気なの?ちゃんと食べてる?」
本当に心配しているのかわからないママの声。
「亜美、聞いてる?」
「うん」
「亜美に話があるんだけど、会える?」
「いつ?」
「明日の7時くらいにどう?」
「わかった。家に行く」
「良かった。それじゃあ、待ってるわね」
私の胸の辺りに異物が入ったかのような違和感。
家を出てから、連絡なんて一度も来なかった。
それなのに、話があるからと簡単に電話をかけれるママに、再びショックを受ける。
私のことなんて「どうでもいいのよ」って言われたみたい。