アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「行くぞ。どうした?」
ママは私をなんだと思ってるの?
私はママの娘だよ。
「亜美、どうした?」
伸也さんの優しい声。
伸也さんのあったかい温もり。
「伸也さん」
私は伸也さんの胸に顔を埋めて泣いた。
割り切って家を出たつもりだった。
私はパパにもママにも捨てられたんだって、諦めたつもりだった。
でも、今お前は一人だと突きつけられたみたいで寂しくてたまらない。
私は誰にも愛されていないんだって悲しくなる。
私は愛を信じていなかったんじゃなくて、信じたくなかった。
愛が存在しないものなら、愛されていない自分も可哀想じゃないって思えるから。
でも、愛はきっと存在するんだよね。
だから、私は愛されない子。
一人ぼっちなんだ。