アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
次の日も、その次の日も、コウスケはお昼休みになると私のもとへ来た。
たわいもない話をしているうちに、段々と私の心はコウスケを仲間だと認識し始める。
伸也さんや猛にはない、穏やかな顔つきを見るとホッとする。
「亜美ちゃん」
「ん?」
「谷沢先輩との噂、本当じゃないなら」
「何?」
「俺と付き合って」
「えっ?」
「ずっと好きだったんだ」
あまりにも突然の告白。
でも、嫌じゃない。
伸也さんを想うようにコウスケに対してスキって気持ちはない。
でも、伸也さんにスキって言われることは一生ないことを考えると、スキって言ってくれるコウスケと付き合ったほうが幸せなのかもしれないと、ふと頭をよぎった。
「返事、すぐじゃなくていい」
「わかった」
コウスケは逃げるように私の元から去っていった。