アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「声だけでわかってくれるなんて嬉しいよ」
「どうして」
「亜美に会いたくて。ここ開けてくれよ」
「……ヤ」
声が振るえる。
体が振るえる。
恭はまだ私を探していた。
悪夢から解放されたわけではなかったんだ。
「開けないなら、力ずくで開けるぞ」
恭の怒鳴り声に耳をふさぐ。
ドン
ドン
ドン
殴られるたびにドアが歪む。
「亜美、こっちにおいで」
ドアは完璧に壊れてしまい、恭とコウスケが私を見ている。
「ホラっ、さっさと来いよ」
恭に腕を掴まれそうになった瞬間、