アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美!」
私の体は抱きしめられた。
「大丈夫か?」
「伸也さん」
「持ち上げるからな」
伸也さんは、私の体を抱き上げ、「どけろ」と物凄く低い声を出した。
「てめぇ、誰だ?」
「コウスケ、やめろ」
伸也さんに殴りかかろうとしたコウスケを、恭が止める。
伸也さんは、私を抱きかかえたまま出口に向かった。
「谷沢 伸也。久しぶりだな」
背後から恭の不気味な声が聞こえる。