アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
伸也さんは無言のまま私を車に乗せ、マンションへと向かった。
車内は気まずい空気。
怒っているのか、伸也さんは私を見ようともしない。
マンションについても、強引に手を引かれ部屋の中へ放り込まれた。
「ごめんなさい」
怖さに耐え切れず、謝った。
「何であんなところにいた?」
「色々とあって」
「色々を詳しく説明しろ」
私は恐る恐る、話し始めた。
学校での噂、嫌がらせ、そして、コウスケの告白。
「なんで、そんな男を信じた?」
「私のことをスキって言ってくれたから」
「自分のことをスキって言ってくれる奴なら、誰でも信じるのか?」