アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「俺の女になれって言ったのも、半端な気持ちじゃねぇ。確かに俺は女関係はだらしなかった。俺の地位や外見に寄ってくる女達をゴミのように抱いては捨てた。その中で付き合った奴もいたけど、結局は向こうから離れていった。俺のことが理解できないと言って」
伸也さんは、そこまで一気に話すと少しだけ悲しい顔をして、タバコに火をつけた。
「でも、お前は違っただろ?俺にタメ口きいて、こびない女は初めてだった。俺はお前を何よりも大切に想ってる。お前と付き合いだしてからは、女も全部切ってる。お前は俺のたった一人の彼女だ」
私は嬉しくて、嬉しすぎて、声が出ない。
「伸也さん……―――」
「お前はずっと何を勘違いしてたんだか」
そう言って抱きしめられた。
「私、伸也さんが好き。伸也さんには私だけを見て欲しい」
「もうずっとお前のことしか頭にない」
体を離し、優しく微笑みながら私の涙を親指で拭ってくれる。
「亜美、お前が抱えていること、全部俺に話してくれないか?」
「全部?」
「あぁ。俺は知らないとお前を守れない」