アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「やり過ぎだな」
そう笑いながら、私の体を抱えバスルームへ連れて行ってくれた。
「温まって来い」
「うん」
少し離れるのが寂しくて伸也さんを見上げていると「一緒に入るか?」と驚きの発言。
「イヤッ」
私はバスルームの扉を思い切り閉めた。
「はいはい」
そう言いながら伸也さんの影は遠くなる。
私は頭から熱いお湯をかぶって、昨日からの伸也さんの言葉を思い出す。
忘れないように何度も何度も思い出す。
ずっと伸也さんといられますように。
それ以外は何も望みません。
どうか、お願いします。って誰に祈ってるんだ?
神様なんて信じてないし。