アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
伸也さんは私の変貌振りに目を丸くして驚いた。
「最初から、そんな格好してたらやばかったな」
「可愛い?」
「あぁ」
私の大好きな微笑をした後、頭をポンポンと撫でてくれた伸也さん。
「それなら毎日する」
「そうしてくれ」
会計をしようとお財布を出すと
「今日は俺に払わしてくれ」
と伸也さんに手をとめられた。
「お金ならあるのに」
「俺もだ」
「ありがとう」
「次は服買いに行くぞ」
「もう疲れたよ」
「我慢しろ」
伸也さんは口は悪いけど、行動はいつも私を思ってくれている。
そんなことに、どうして今まで気づかなかったんだろう。
高そうなお店が並ぶショッピングモール。
その中の1つに伸也さんは入って行く。
勿論、私の手を引きながら。
店に入ると
「谷沢様、いらっしゃいませ」
と定員が頭を下げる。
「伸也さん知り合い?」
「俺が買ってる店だ」