アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
私が助手席に乗り込むと、すぐに車は発進する。
「急がないと遅刻する」
「大丈夫?」
「急げば大丈夫だ」
「伸也さん、お金」
「次からは自分で買え」
「わかった」
パパからのお金は、私の通帳に直接振り込まれるようになって、その他にもママからの仕送りが毎月ある。
私の通帳の数字は、一人では使えきれないほどの額となっている。
生活費だってかかってないし、伸也さんに申し訳ないけど、今更しつこくお金の話をするのも変だと思ってやめた。
マンションに戻って、伸也さんは急いでスーツに着替えると、私の手を引いて“shot”へと向かった。
久しぶりのネオンに胸がドキドキする。