アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


騒々しい物音に目を覚ますと、天井の色が違う。



キョロキョロとしていると

「やっと起きたか」


といるはずのない人の声が……



「えっ?夢?」



体を起こすと、私の隣に伸也さんが腰掛ける。



「えっ?どうして?カズ?」



カズは涙を流しながら、私に笑いかけている。



「夢じゃない?」



「あぁ」



伸也さんは私の言葉に返事をしながら、頭を撫でてくれる。



「亜美、心配かけたな」



「……お、かえ……り」



涙でうまく話せない。



「こたぁ、お帰り」



「ただいま」


< 247 / 688 >

この作品をシェア

pagetop