アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
騒々しい物音に目を覚ますと、天井の色が違う。
キョロキョロとしていると
「やっと起きたか」
といるはずのない人の声が……
「えっ?夢?」
体を起こすと、私の隣に伸也さんが腰掛ける。
「えっ?どうして?カズ?」
カズは涙を流しながら、私に笑いかけている。
「夢じゃない?」
「あぁ」
伸也さんは私の言葉に返事をしながら、頭を撫でてくれる。
「亜美、心配かけたな」
「……お、かえ……り」
涙でうまく話せない。
「こたぁ、お帰り」
「ただいま」