アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
私は伸也さんに抱きかかえられながら、学校を出た。
「来てくれるなんて、思ってなかった」
「最後だしな。またお前がいじめられないように見張ってた」
「猛だっているから、大丈夫なのに」
「アイツは信用できねぇ」
「アハハ〜猛が聞いたら泣くよ」
「もう泣いてます」
後ろから、突然猛の声。
猛の顔を見て、私達は噴出した。
「伸也さん置いてく気ですか?2人が玄関から出て行くの見て、慌てて追いかけたんすよ」
「お前は一人で帰れるだろ」
「そんなぁ〜」
猛が地面に手をつき項垂れていると、遠くから大きなエンジン音が聞こえてきた。
「来たな」
伸也さんはエンジン音のするほうに視線を向ける。