アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


私達が騒いでいると、校舎から生徒が集まってきた。



伸也さんやこたぁ、遼ちん目当ての女ども。



色目を使って、体を摺り寄せる。



「こんな餓鬼臭いのほっといて、私の相手してくれません?」



勇気のある女、もしくはバカな女の一人が伸也さんの腕に自分の手を絡めた。



その途端、伸也さんは鬼のような顔をして、女の胸倉を掴んだ。



「俺の女にいちゃもんつけるとはいい度胸だな」



その声に、猛やこたぁもビクッと体を振るわせる。



女は泣きながら逃げ去っていった。



「うるさい奴らが増えてきたから、そろそろ行くか」



伸也さんの、その言葉で私達は遼ちんが運転するバンへと乗り込んだ。



「こたぁ、足大丈夫なの?」



右足を引きずりながら、バイクに跨るこたぁが少し心配になる。



「俺の技術ならこれくらいは平気」



「そっか」



「じゃあ、shotで」



そう言うと、後ろにカズを乗っけたこたぁは物凄いスピードで走り去って行った。



「shotに行くの?」



「あぁ。今日は貸切でお前らの卒業祝いだ」


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