アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


それに、伸也さんと同じ香り。



伸也さんと同じ髪の色。



この人の言うことが真実ならば、伸也さんがこの人の真似をしている。



この人を見れば見るほど、伸也さんの面影が沢山見える。



同じ個数のピアスに、同じネックレス。



「今から伸也を呼んであげる」



「えっ?」



「私の呼び出しに来なかったことはないわ」



そんなはずない。



今は私が伸也さんの彼女だもん。



レイカさんが携帯を耳に当てる。



「伸也、裏口に来て」



そう言うと、すぐに電話を切った。



伸也さんの返事は聞いていないほどの速さ。



来ないよね?



伸也さん、来ないよね。



来ないで伸也さん……


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