アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「亜美ちゃん!」



猛の声が遠くで聞こえる。



その声は、段々と私のほうへと近づいてくる。



「亜美ちゃん……」



猛は扉を開けて立ち止まった。



こんな姿見られたくない。


「亜美ちゃん、行こう」



「どうしてここに?」



「伸也さんから連絡もらった」



伸也さん、私よりレイカさんを選んだの?



レイカさんの言うように私はお遊び?



伸也さん、私は信じたのに。



いつかの伸也さんの言葉を思い出す。



裏口へは行くなと言う伸也さんの言葉。



それはレイカさんがいるから。


< 265 / 688 >

この作品をシェア

pagetop