アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
そこには見知らぬ男が数人。
知らない人もいることはあるけれど、いつもは何人か顔見知りがいる。
でも今日は見たことのない顔ばかり。
「恭は?」
私に近づいてきた男に聞いてみた。
「後で来るよ。それまで俺達と楽しんでよう」
男が不敵な笑みを浮かべた。
怖い。
反射的に、私は逃げた。
このまま、ここにいることは危険な気がして
カラオケのドアを力任せに開き、外へと出た。
走りながら振り返ると、男達は追いかけてくる。
地下鉄へと向かって走るけど、人が多くてうまく走れない。
逃げても逃げても男は追いかけてきて、このまま人ごみの中を走っていたら捕まってしまう。
そう感じた私は小さな小路に入った。
ここなら逃げ切れるかもしれない。と思った瞬間、私の前には大きな壁が立ちはだかった。