アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
アイシテル 2
自業自得
話し声が聞こえる。
そう思って目を開くと、真っ白な天井が見えた。
ココハドコ?
確か私は道路で目を閉じたはず。
それなのに、今は室内にいる。
もしかして……
焦って体を起こすと、全身に激痛が走る。
「痛っ」
「あっ、亜美ちゃん起きた?」
「えっ?」
男達にどこかへ連れてこられたのかと思っていた私の目の前にいたのは、小橋 猛だった。
「大丈夫?じゃないよね。手当てしよう。起きるまで待ってたんだ」
「…………」
「おーい。聞こえてる?亜美ちゃん」
「うっ……」
私は男達に弄ばれている間、一滴の涙も流さなかった。
それなのに今になって涙が溢れてくる。
あふれ出る涙を押さえようとしているのに、声まで漏れてしまう。
そして、震える体。
「亜美ちゃん、もう大丈夫。怖かったね。大丈夫だよ」
「猛、目が覚めたならさっさと連れて行け」
「伸也さん、そんなこと言わないで下さいよ。傷の手当してやりたいし、まだ怖がってるし」
突然、奥のほうから白髪の男が出てきた。
私を見下ろして睨みつける。
その男のお陰で私の涙は一気に引いた。
「こんな所に一人でウロウロしやがって、自業自得だろ」
「伸也さん、それは酷すぎますって」