アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「何がおかしい?」
「昔のこと思い出して。私、小学校のとき祐のこと好きだったなって。でも、祐、無口だったから嫌われてると思ってた。懐かしいね」
「俺は……」
「ん?」
「明日は俺が迎えに行く」
「えっ?」
「あいつに言っとけ。帰るぞ」
「えっ?う、うん」
私は祐の後ろにしがみ付き泣きそうになった。
だって、伸也さんと同じ香り。
涙を堪えるのに必死で、あっという間に家に着いた。
「祐、ありがとう。それと明日は猛に頼むよ。祐は家遠いし」
「そいつに言えないなら、俺が言っておく。じゃあ、明日」
強引な祐。
でも、祐といると落ち着く。
どうしてなんだろう。
この時、何故そう思うのかきちんと考えるべきだった。