アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
小橋と白髪男は言い争いを始めた。
「小橋、帰る」
私は体中の痛みをこらえ、立ち上がった。
兎に角、体を洗いたい。
男達がまだ側にいるようで気持ちが悪い。
「亜美ちゃん待って」
出口らしき場所に向かって足を進めると、白髪男が私の前に立ちふさがった。
「帰るなら、送ってく」
「一人で帰れます」
「また同じ目にあいたいのか?」
どうすればいいのかわからなかった。
初対面の男にこんなこと言われてまで、こいつと一緒にいたくないし、でも一人で帰るのも怖い。
「ホラ行くぞ」
男はそう言いながら、私の腕を掴みあげた。
その瞬間、体全身が拒否反応をする。
ビクンと大きく震える体。
私の体が震え始めると、男は手を離し、「着いて来い」と部屋を出て行った。
「亜美ちゃん、大丈夫?俺も一緒に行くから」
「うん」