アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
ピンポーン
ピンポーン
何度も繰り返されるチャイム。
慌ててベッドから飛び起きた。
寝坊したのかも。
きっと、猛が迎えにきたんだ。
私は誰がいるかも確認せずに扉を開いた。
「お、はよっ……」
そこに立っていたのは、猛ではなく伸也さんと同じ髪の色をした祐。
「おはよう。どうしたの?」
「中入っていいか?」
「いいけど」
私は祐をリビングに通し、時計を見るとまだ6時半。
「こんな早くにどうしたの?」
「早く着きすぎた」
「はっ?」
「今日、俺が迎えに来るって言っただろーが」
「そうだけど、猛に連絡してないよ」
「昨日、俺がした」
「そっか。用意するから待ってて」
「いやっ、その前に話がある」