アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「気になるから聞いたんだろうが」
「そうだけど、何を聞いたの?」
「まず、俺はお前のことが小学校のときから好きだった。ずっと忘れられなかった。こたぁも忘れられない奴がいることは知ってた。それが亜美だって昨日話したんだ」
「うん」
「そしたら、亜美はやめとけって言われた。俺には受け止めきれないって。俺には亜美を任せられないってハッキリそう言われた」
「うん」
こたぁが私のことを大切に思ってくれている気持ちが、祐の話だけで伝わってくる。
「俺は、だから亜美のことを教えて欲しいって言った。こたぁは渋ったけど、聞いて無理だと思ったら諦めるって言って聞いたんだ」
「何を?」
私は不安で呼吸が荒くなる。
「亜美の傷を聞いた。亜美の好きな奴のことも」
「そっか……」
「俺は全部を受け止めるから。付き合って欲しい」
真っ直ぐと私を見つめる祐の瞳は綺麗な茶色だった。