アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「カズ。ちょっと待ってよ」



「何かあったのか?」



教室を出ようとした私に、祐が心配そうな顔で尋ねてくる。



「なんもないよ。カズとサボることになっただけ」



「何かあったら連絡しろ」


そう言って祐は私にノートの切れ端を渡してくれた。



中を開くと、携帯の番号。


「ありがとう」



「じゃあな」



「うん」



このまま祐に流されていってもいいのかな。



やっぱりカズに相談しよう。



私一人で決めるなんて出来ない。



自分の気持ちすらわからないんだから。


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